大学近代建築 vol.2『関西学院』

関西学院正面

929(昭和4)年に竣工した関西学院上ヶ原キャンパス(西宮市)は、中央に長円形の芝生の広場が有り、時計台の有る旧図書館を正面にスパニッシュ・ミッション様式で統一されヴォーリズ建築事務所の代表的作品と言われている。

近代建築

西学院は1889(明治22年)、神戸市郊外原田に創立され、1912(大正元)年に竣工した神学館からヴォーリズが設計した。上ヶ原に創立40年後、大学昇格を果たす為、全面移転し、そのすべての構想・設計がヴォーリズに委ねられた。経営にカナダ・メソジスト協会が参加する事になり、1910(明治43)年ベーツがまず関西学院神学部教授となり、1912(大正元)年に高等学部長となったことが、ヴォーリズの設計に結び付いたのではないかと思われる。(ベーツとヴォーリズは1902(明治35)年カナダ・トロントにおける第4回海外伝道学生奉仕団世界大会で伝道団員に志願し、ともに海外伝道を志す契機を得ている為…しかしこの時点で2人が出会ったという記録はないが、YMCA関係の活動において出会ったのではないかと考えられる。)

近代建築

ヶ原キャンパスの全面移転は、阪急の小林一三氏の協力を得て、神戸原田校地(現在の神戸市立王子公園)を売却し実現した。

西学院は、1959(昭和34)年に創立70周年を記念するにあたり、学院正門を入ってすぐ右手の宗教センター横に、創立者ランバスの名を冠した「ランバス記念礼拝堂」を建設した。1957(昭和32)年頃から体調を崩して療養生活をしていたヴォーリズが、どこまで設計に関与していたかは解らないが、同時期にヴォーリズ事務所によって建てられた社会学部・理学部と違って、このチャペルは一環してスパニッシュ・ミッション形式である。

近代建築

の芝生 ― 白い時計塔 ― 赤い屋根の建築群 ― 甲山を背景にどこまでも伸びる棕櫚の整然とした美しさ ― ヴォーリズ建築事務所の代表的作品と言われる所以である。